世の中には「後味の悪い映画」や「救いようのないラスト」といった言葉で語られる作品がある。観終わったあと、怒り、喪失感、虚無感、あるいは形容しがたい不快感に襲われる映画たちだ。
だが、胸糞映画こそ我々の根底にある悪意の吐口となり、人生における最悪のシナリオを想定して恐怖を発散できるのではないだろうか。
今回は、そんな“超絶胸糞悪いラスト”を迎える映画を5つに厳選して紹介する。
圧倒的な理不尽と暴力に耐えうる者だけが、鑑賞してほしい。

僕も何だか憂さ晴らしに見たくなるんだよね…。



私も会社で疲れた時に、少し見たくなる…。
超絶“胸糞悪いラスト”を迎える映画5選!


①『セブン』
②『ダンサー・イン・ザ・ダーク』
③『ミリオンダラー・ベイビー』
④『ミスト』
⑤『ファニーゲーム』
胸糞映画①『セブン』誰もが予感した最悪のシナリオに心が死ぬ


猟奇殺人事件を追う二人の刑事、ベテランのサマセットと新人のミルズ。犯人は「七つの大罪」をモチーフに殺人を繰り返しており、次第に彼らはその狂気に巻き込まれていく。
本作のラストは、まさに「悪夢」としか形容できない。
情け容赦ない結末が、強烈な不快感とともに記憶に刻み込まれる。ミルズの絶叫が、すべての希望を打ち砕き、間違いなく映画史に残る衝撃のラストとして名を残した。



こ…怖いな…。でも見たいかも。
胸糞映画②『ダンサー・イン・ザ・ダーク』


視力を失いつつあるシングルマザーのセルマは、息子の治療費を稼ぐために工場で働いている。ミュージカルを心の拠り所としながらも、とある誤解と悲劇によって人生は大きく狂っていく。
ラース・フォン・トリアー監督によるヒューマンドラマ。
残酷で陰鬱な現実がひたすらセルマに影を落とし、追い詰めていく。
我々観客は、その無慈悲さに呆然とするしかない。終盤の描写はあまりに非情で、見る者に重い鉛を落としたかのような虚脱感を与えるだろう。
胸糞映画③『ミリオンダラー・ベイビー』倫理観を問われるラストに悶々


年老いたボクシング・トレーナー、フランキーは、才能を持つ女性ボクサーのマギーと出会い、指導を始める。二人の絆は次第に深まり、マギーはスター選手への道を歩むが、ある試合を境に事態は一変する。
よくあるスポコンかと思いきや、中盤から雰囲気がガラリと変わってくる。
貧乏な少女がボクシングで成り上がっていくという希望に満ち溢れたシナリオは、紙屑と化してしまうのだろうか。
希望も努力も愛情も、すべてを踏みにじってくる展開は、あまりに理不尽で苦い。ラストは我々の倫理観を揺さぶって幕を閉じる。
胸糞映画④『ミスト』あまりに やりきれないラストに放心


スーパーマーケットに取り残された人々。外は謎の霧に包まれ、その中に恐ろしい“何か”が潜んでいる。パニックに陥る群衆の中で、主人公デヴィッドは家族を守るため行動するが…。
モンスターの恐怖よりも、極限状態に置かれた人間の狂気のほうが遥かに恐ろしいことを突きつけてくる本作。
そして、最後に訪れる結末は、言葉を失うほどの胸糞の悪さ。後味の悪さはピカイチとも言えるほど、嫌なラストに延伸の力が抜けて放心してしまう。
胸糞映画⑤『ファニーゲーム』理不尽な暴力にひたすら腹がたつ


別荘を訪れた一家が、白い服を着た若者二人に襲撃される。一見礼儀正しい彼らは、しかし常軌を逸したゲームを一家に強要していく。
希望→絶望→希望→絶望の緩急で疲れてしまうが、ラストはしっかり胸糞だ。
命が軽んじられ、ひたすらに理不尽な暴力が続く様子に、もはや腹がたってくる。
エンタメ?いやいや、エンタメの皮を被った“不快の塊”のような映画だ。もっとも、だからこそ唯一無二の作品と言えるのだろうが。
まとめ
人はなぜ、このような希望もなく絶望の淵に立たされるような映画を見るのか。
少なくとも筆者は、落ち込んだときや憂さを晴らしたいとき、刺激が欲しいときなどに見ることが多い。
さあ、今宵は何を見て心を抉られようか。
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